7695 SRPP の改造
7695 SRPP の改造
しばらくエージングを兼ねて音楽を聴いていましたが、以下の2点改造します。
①初段6BQ7A SRPPカソード抵抗をカソードチョークに置換える
②電源トランスの接続変更
①SRPP回路のカソード抵抗をカソードチョークに置き換える実験の結果を踏まえて、6BQ7A SRPP回路を改造します。
この実験結果は当ブログ内に掲載しています.
カソードチョーク代わりに使う小型シングルアンプ用OPT 東栄製オリエントコア[T-600Z/12K]、このOPTの一次側0-12KΩ間のDCRは約560Ωあるのでこのまま使います。二次側は使わないのでオープンにします。(二次側は接続しません)
SRPP回路下側のカソード抵抗もこのOPTのDCRに合わせ560Ωにします。
東栄製オリエントコア、小型シングルアンプ用OPT
[T-600Z/12K]
仮り付けして性能確認しています
シャーシ何に組み込むことにしました。取り付け場所はマッチングトランスのところが空いているのでスペーサをかませて無理やりに押し込みました。
次は②の電源回路の改造です。
電源トランスはノグチトランス(現ゼネラルトランス)声
PM-70WS 、一次側 0-100,110、0-100-110V の複巻
二次側 0-100-110-120V 70VA
本来一次二次をこのまま使えばよかったのですが、シャーシ設計時にケミコンを2個にしてしまったため、一次二次を逆に使っていました。
結果B電圧が予定より低くなりDC250Vになっていました。
それを元に戻して二次側 0-120V を倍電圧整流することにしたものです、これで DC280V 得られる予定です。
この280Vは7695マニュアルに記載されているSRPP使用時の推奨B電圧になります。
作業はケミコン350V270u1個を取り外し、200V1000uを2個にし、ミコン頭に強力接着テープを貼り付けてシャーシに接着しました。
改造が終わり、簡単に特性チェックをした結果最大出力は5W強に増大しました。
(特性測定は後ほどしますので結果は後日に掲載します)
早速試聴することに
使用したスピーカは上に載っているFAL小型スピーカ(暗いのでわかりにくいですが)
音源はFM、ネットラジオ、CD
使っているマッチングトランスは、オーディオ友の
ARITO’s Audio Labさん製作になるものです
このマッチングトランス(600Ω:4-8-16Ω7W)の特性がよく、この7695 SRPPにベストマッチングとなりました。
このマッチングトランスなど、ARITOさん製作になるトランスは通販かヤフオクで購入できます
http://www.aritos-audio-lab.com/
直接このページへお問合せください
SRPP OTL AMP 二題の製作(10)
SRPP OTL AMP 二題の製作(10)
回路図と特性図
SRPPアンプは回路は簡単で性能が良く音も良いと思っています。欠点なのは、出力管のプレート電圧が高くなり、得られる出力は少ないことです。使うスピーカは高能率型が望ましいですが低能率の小型スピーカでも近い位置で聴く限りは音量不足は感じません。
回路図
回路図はSRPP回路としてはごく標準的な回路構成ですので変わったところはありません、前段もSRPP、出力段もSRPPとしており、いわば、SRPP2段構成です。
2台の大きな違いは出力管の動作で15KY8Aは三結で、7695は五結で使っているところです。
15KY8A SRPP
15KY8Aの場合は三極ー五極管なので三極管部分は前段SRPP、五極管部分を三結にしてSRPPに構成しています、つまり、球4本で
2CHのSRPPとなっています。
7695 SRPP
もう1台の出力管7695は、真空管時代の最後に登場したオーディオ用出力管といわれています。外観は15KY8と同じ大きさですがMT9ピンの9T9管です。五極管のみですから、前段に双三極管6BQ5Aを起用してSRPPを構成しました。6BQ5Aを起用したのは、この球は真空管TVのチューナに使用されていた球でカスコード接続で使用されますのでよく似た回路のSRPPには適した球で、μは39あり使いやす球です。しかもよく使われる12AX7などと比べて安価です。
回路は同じような構成ですが、最初は15KY8Aでしたが、思いがけず7695をいただいたので急遽採用することにしたものです。
7695のマニュアルにはSRPP回路例が掲載されています
https://tubedata.jp/sheets/106/7/7754.pdf
出力段SRPPはこの回路例そのまま採用しています。
特性図
2台ともほぼ同じような結果となりましたが、出力段が三結か五結かの違いがあるかもしれません
周波数特性
周波数特性はマッチングトランスの性能の良さがそのまま
反映されており高域500kHz付近まで変な凹凸なく下降していま
低域は5Hz付近に盛り上がりがありますが、回路構成にあるようで低域の発振も見られないのでこのままにしてあります。
10Hz~100kHzの範囲では問題ありません
歪率特性
こちらも2台とも同じような特性になりました、
各周波数別でも良くそろっています、通常シングルアンプでも、プッシュプルアンプでも、この三周波数の歪率特性がほとんど同じになるのは高級トランスでないとできません。これはSRPP回路の良さであり特長です。
マッチングトランスはオートトランス形式ですが、これは2台とも同じマッチングトランスを使っています。一次二次間絶縁型にしなかったのは、鉄心による損失を避けたかったからです。
最大出力は4W/8Ω/5%となりました。
さで、出てきた音は?
SRPP はA級動作で最大出力は大きくできませんが、シングルアンプより豊かな響きを聴かせてくれます。
ご興味あるかたは我が家へ聞きに来てください、歓迎します。
結果報告
①15KY8A SRPP
a.回路図
b.特性図
②7695 SRPP
a.回路図
b.特性図
以上で本稿を終わります。
SRPP OTL AMP 二題の製作(9)
SRPP OTL AMP 二題の製作(9)
2台の SRPP OTL 「15KY8A」「7695」SRPP OTLが出来上がりましたのでまとめをします。
兄弟仲良く並んで記念撮影
このアンプは82歳記念にと製作を始めたものです。途中コロナ感染症の流行で自宅籠城をやむなくされましたが、猛暑来襲で3階工房室温が38度になり工房での作業も中断、熱中症の恐れもあり8月1か月は階下の居間で過ごすことになりました。
その間他のことはそれぞれ進捗しましたが、この SRPP AMP の製作はストップしてしまいました。それで、9月に入ってようやく工房での作業が開始できるようになり、9月20日の誕生日ギリギリに完成しました。
このアンプには目的がありました。
アンプに関しては最初真空管15KY8Aを使って同じ回路構成で4CHアンプを製作する予定でしたが、途中で真空管「7695」を入手したので変更したものです.
使い道は「BETA-10ダブル」を鳴らすためですが、「7895」と「BETA-10W」については後に述べます。
このアンプにはご協力者がお二人あり
お一人は「Woody & Allen」さんは木枠の製作をしていただきました.
もうお一人は「ARITO's Audio Lab」さんでマッチングトランス
MT-06K7W 600:4/8/16Ω を製作いただきました
厚くお礼申し上げますm(_ _)m
立派な木枠
「Woody & Allen」さん製作、木枠が立派すぎる!
マッチングトランス
「ARITO's Audio Lab」さん作 MT-06K7W
http://www.aritos-audio-lab.com/AritosAudioLab2.htm
SRPP OTL AMP 二題の製作(8)
SRPP OTL AMP 二題の製作(8)
一通り試聴を終えて、本番の[「BETA-10(W)」繋ぎました。
このスピーカはコーラル25cmフルレンジスピーカユニットを左右に各2個使い、同じユニットによる2Wayスピーカシステムです
普段は直列に繋いで16ΩとしてOTLアンプで使っていましたが、本来はこのフルレンジユニットによる2wayとして使うために作ったスピーカシステムです。
アンプラックの中に入れてスピーカをつなぎました。スピーカケーブルはバスレフ開口から引き出しています
配線がごちゃごちゃしてますが、一先ずこれて試聴することにします。
2Wayのチャンネルデバイダーは中央に見える木箱のラインアンプ内に組み込んであります
クロス周波数は800Hz
懐かしい昭和の響きを連れてきました!
フルレンジによる2Wayスピーカシステム
簡単に説明しますと、同じフルレンジユニットで再生周波数を分割していますので音色や能率が同じでつながりが良く、フルレンジの良さが生かされてきます。写真では上スピーカがハイ、下がローとなっています
チャンネルデバイダーは簡単なCR型、クロスは800Hz
4CHのマルチアンプで鳴らします
(スピーカネットワークではありません!)。
SRPP OTL AMP 二題の製作(7)
SRPP OTL AMP 二題の製作(7)
7695 SRPPが組みあがりました。早速電気を入れて動作チェックをします
テスター5個を動員して主要電圧を監視しながら慎重に通電します、アンプ製作では一番緊張する場面です
抵抗の付け忘れとはんだ付け忘れなどがあり、細切れ作業したので忘れ物が目立ちました。
無事に点検調整ができましたので、木枠にはめ込み、簡単に特性測定しています(測定結果は後にまとめて掲載します)
先に完成していた 15KY8A SRPP と並べて記念撮影
この2台のアンプは後ろに見えるBETA-10に使います。
2台を並べると真空管15KY8Aと7695は同じように見えますが
左側7695はMT9ピン管(9T9)、右側15KY8Aはノーバー9ピン管、同じような大きさに見えますね。
SRPP OTL AMP 二題の製作(5)
SRPP OTL AMP 二題の製作(5)
7月29日の投稿以降滞っていましたが。このほど完成を見ましたので順次掲載します。
このアンプは、今日9月20日、82歳誕生日の記念製作として進めてきました
途中、8月は猛暑に襲われ3階工房は30度を超え、冷房が効きにくくなり熱中症の恐れがあるので。階下の居間に避難していました
それでSRPP OTL AMP 二台の製作作業が滞ってしまいました。
コロナと猛暑で大阪まで買い出しにも行けないので、通販で手当てし欠品していたパーツ類も何とか入手。
9月に入ってさしもの猛暑も少しずつ退き始めたので9月5日ころから工房での作業を再開しました。
7695 SRPP
ようやくマッチングトランスがつけられるように